倒産防止共済

倒産防止共済は不動産所得の経費にならない点に注意!節税するなら会社が有利

倒産防止共済は不動産所得の対象外

個人事業主も倒産防止共済(経営セーフティ共済)に加入できますが、必要経費になるのは事業所得に限られています。

不動産所得は対象になりません

そもそも個人事業主は解約した場合に事業所得の収入になり、高い累進税率で課税される可能性があるので、あまりおすすめしません。

倒産防止共済を節税に利用するなら、会社の方が有利と考えます。

倒産防止共済の本来の目的は?

「なぜ事業所得は良くて不動産所得はダメなの?」

と思うかもしれません。

そもそも倒産防止共済は、節税の道具ではありません。

取引先が倒産したときに中小企業が連鎖倒産したり、経営難にならないようにするための制度です。

取引先が突然、倒産・・・。

そんな「もしも」に備える安心のセーフティネット。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。

出典:中小企業基盤整備機構「経営セーフティ共済|制度の概要

・・・たまたま掛金が全額必要経費になるし、40か月支払えば元本割れしません。

結果、節税商品のような使われ方をしているのが現状です。

不動産所得で必要経費にならない点に注意

しかし、なんでもかんでも使えるわけではありません。

不動産所得は使えません

倒産防止共済の掛金は

  • 事業所得:必要経費OK
  • 不動産所得等:必要経費NG

です。

注意事項

個人事業の場合、事業所得以外の収入(不動産所得等)には、掛金の必要経費としての算入が認められませんのでご注意ください。

出典:中小企業基盤整備機構 「経営セーフティ共済|掛金について

もともと、取引先の倒産で連鎖倒産しやすい中小企業や個人事業者を助けるための制度です。

例えば

  • 会社員で不動産賃貸業(不動産所得)をやっているような場合
  • 不動産賃貸業(不動産所得)のみの場合

は、制度の趣旨からは外れるということでしょう。

仮に事業所得と不動産所得の両方があっていても、節税できるのは事業所得の部分だけになります。

会社は結果的に相殺可能

個人は事業所得や不動産所得など、10種類の所得に分けて税金を計算しますが、会社は全部まとめて計算です。

そのため倒産防止共済の対象となる事業をやっていれば、不動産賃貸業の利益と結果的に相殺できます。

なお、不動産賃貸業だけをやっている場合は、会社であっても加入資格を満たさないと思われます(中小企業基盤整備機構にご確認ください)。

次の業種が想定されています。

  • 製造業、建設業、運輸業その他の業種
  • 卸売業
  • サービス業
  • 小売業
  • ゴム製品製造業(一部の業種を除く)
  • ソフトウェア業
  • 情報処理サービス業
  • 旅館業

この中には不動産賃貸業は含まれていません。

そもそも節税する必要があるのか?

倒産防止共済は解約するまでの間、資金が使えません

下手に節税をせずに、税引き後のキャッシュを使って新しい物件に投資した方が結果的にリターンが大きくなる可能性もあります。

ただ、大規模修繕工事の備えとして資金をプールしている方も見かけます。

資産計上になる部分も多そうですが、将来支払うことが確定している大きな費用を先取りしたい場合には、倒産防止共済が使えます。

別にMax800万円を掛けないといけないわけではないので、必要な分だけ倒産防止共済に入るのもアリかもしれません。

最後に

個人事業主の不動産所得は、倒産防止共済で節税ができません。

・・・しかし、それだけで法人成りをするのもおかしな話です。

「節税」という言葉に囚(とら)われず、顧問税理士と相談しながら「お金の使い方」を最適化していきましょう。