私は仕事の1つとして、会計ソフトの導入をしたり、記帳の仕方を教えています。
その経験上、クラウド会計を使うメリットの1つとしてあげたいのは、銀行連携(金融機関とのデータ連携)です。
ネットバンキングのデータをクラウド会計で取得して、自動的に仕訳を作ってくれます。
特に
銀行の「預金残高」と「会計ソフトの残高」を勝手に合わせてくれること
が好きです。
「そんなの当たり前だよ」
と思うかもしれません。
でも手入力をすると、実は当たり前でもないことに気づきます。
預金残高は合って当たり前?
手入力の場合、通帳や入出金明細を見ながら、取引を1個ずつ会計ソフトに入力します。
毎月の取引の数が少なければ間違えないかもしれませんが、多くなってくると
銀行の「預金残高」と「会計ソフトの残高」が合わない
ということが起こります。
「あれ? おかしいな」
と「通帳の各取引金額」と「会計ソフトの入力した金額」を1個ずつ突き合わせします。
正直、この間違いに10分、あるいは1時間費やしても、それは
1円の売上にもならないムダな時間
です。
なぜ預金残高と合わないの?
原因としては
- 入力する金額を間違えていた
- 取引の入力自体が漏れていた
- 1つの取引を2回入力していた
などがあります。
特に起こりやすいのは「入力する金額を間違えていた」ミスです。
例えば
- 「3,096」を「3,069」と入力した
- 「1,000」を「100」と入力した
手入力したら、必ず「月末」の預金残高と会計ソフトの残高が一致しているかを確認しましょう。
税理士も、まず会計ソフトと残高が預金残高と合っているかを確認します。
複式簿記は、借方と貸方の金額が最終的に一致しますが、その中でほとんどを占めるのは普通預金です。
預金残高が合っていないのに、他のもの(売上や経費)を確認するのは危険です。
クラウド会計なら一致が前提
クラウド会計は、銀行連携ができていれば、「預金残高」と「会計ソフトの残高」を合わせる必要がありません。
ネットバンキングの入出金データをそのまま流し込むので、勝手に消したりしなければ、間違いようがありません。
先ほどの預金残高と一致しない原因としてあげたミスは、起こらないのです。
- 入力する金額を間違えていた
- 取引の入力自体が漏れていた
- 1つの取引を2回入力していた
→自動的に入力で防止
預金残高と合ってない決算書は信用できない
当たり前ですが、預金残高と合っていない決算書は、信用できません。
合っていないということは、途中のどこかがおかしいからです。
一般企業では、すべての銀行口座について年度末時点の残高証明書をとるように私はお願いしています。
税務申告の際に、残高が合っていることを証明するために税務署に残高証明書を提出する企業もあります。
ただ、残高証明書は手数料が数百円かかります。
複雑な取引がないひとり会社は、無理してやる必要はないと思います。
その代わり、
- 年度末の預金残高が載っている通帳のページのコピーをする(またはネットバンキングの入出金明細を印刷する)
- 決算書(貸借対照表)の各預金残高と一致しているか確認する
- 決算書と一緒にファイリングして残す
を徹底したいところです。
最後に
私の会社と個人事業は、クラウド会計(マネーフォワード)を使っています。
- 会社:マネーフォワード会計
- 個人:マネーフォワード確定申告
「弥生会計」でも「freee」でも、自分が使っている金融機関と連携できるならどれでもいいです。
3つとも試して、実際に試して直感的に合うものを選ぶのがおすすめです。
特に個人口座では連携できるのに、法人口座は対応していない場合もあります。
ネットバンキングと連携した方がムダな時間を使わなくてすみます。
銀行口座を作るときには
- ネットバンキングは無料で使えるか
- 会計ソフトと連携できるか
も判断基準にしてみてください。
ひとり会社なら、ネットバンクやゆうちょ銀行がおすすめです。
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