投資節税

会社が持つ株式は売買目的有価証券として含み益に税金がかかる?マイクロ法人が持つ場合はどうなる?

売買目的有価証券になるか

会社が持つ株式(有価証券)は、税金の世界では

  • 売買目的有価証券(期末に時価評価)
  • 売買目的外有価証券(期末は何もしない)

の2つに分けて考えます。

このうち売買目的有価証券に該当すると、期末(決算日)時点で時価評価をする必要があります。

例えば1,000万円で株式を購入して、期末の時価が1,200万円になると、含み益の200万円が出ます。

含み益200万円は、当然、まだ利益確定していません(ある意味、幻です)。

しかしお金が入ってきていないのに、この部分について利益があったものとして税金を払うのです。

逆に含み損が出たときは、まだ損失確定していなくても税金を減らすことができます。

結論から言えば、多くの会社が持つ株式は

売買目的有価証券に該当せず、期末時価評価は不要

です。

つまり、売買目的外有価証券ですね。

例えばマイクロ法人を作って配当目的で株式を持たせる場合も、ほとんどの場合は売買目的外有価証券になります。

そのため、期末に含み益に課税されることはないと考えられます。

売買目的有価証券の範囲は狭い

売買目的有価証券という名前から、「売買を目的とした株式」=「上場株式」は全部該当すると思っている人もいるかもしれせん。

しかし実際には範囲は狭く、法人税法上、売買有価証券に該当する代表例は次の2つの場合です。

  1. 専担者売買有価証券
  2. 短期売買有価証券

(1) 専担者売買有価証券

トレーディング目的で行う取引に専ら従事する者が短期売買目的で取引を行ったものが該当します。

専担者売買有価証券

これは銀行や保険会社などの金融機関が「独立した専門の部署」でトレーディング業務を行うような特殊な場合です(法人税基本通達2-3-26)。

ふつうの会社ではあまり考えられません。

(2) 短期売買有価証券

その取得の日において短期売買目的で取得した旨を帳簿書類に記載したものが該当します。

短期売買有価証券

こちらはふつうの会社を想定したものです。

「売買目的有価証券(あるいは有価証券)」などの勘定科目で帳簿上、区分している場合です。

取得の日に自分で意思表示します。

逆に言えば、短期的・大量に株式を売買している場合でも、売買目的有価証券などの勘定科目に区分しない場合は、売買目的有価証券に該当しません (法人税基本通達2-3-27) 。

ふつうは「投資有価証券」で処理

一般的には、中小企業では「投資有価証券」として貸借対照表の「投資その他の資産(固定資産)」に計上していることが多いのではないでしょうか。

今までいろんな中小企業の決算書を見てきましたが、売買目的有価証券に載ってるのを見たことがありせん。

「(1)専担者売買有価証券」にも「(2) 短期売買有価証券」にも該当しないので、税金計算上は売買目的外有価証券になります。

そのため、期末になっても含み益に税金がかかることはありません。

※会計上は「その他有価証券」として時価評価して評価差額を純資産に反映すること(全部純資産直入法)もありますが、やはり税金には影響ありません。

マイクロ法人が持つ配当目的の株式は?

マイクロ法人に配当目的で株式を持たせる場合もあります。

この場合は、上場株式だとしてもすぐに売らないので、「投資有価証券」にすることがほとんどかと思います。

結果、期末に含み益に課税されることはないと考えます。

まとめ

  • 売買目的有価証券(期末に時価評価)
  • 売買目的外有価証券(期末は何もしない)←ふつうこっち

なお、売買目的外有価証券も売ったら当然、「投資有価証券売却損益」が出るので、ここでようやく税金に影響します。

具体的には顧問税理士とよく相談して、株式の保有方法を考えてみてください。